つわりで入院することも
妊娠するとほとんどの女性が経験するつわりですが、日常生活もままならないほどのひどいつわりは、病院で処置をしてもらわなければなりません。入院するほどのひどいつわりは「妊娠悪阻」といい、つわりとは別と考えていくほうがいいでしょう。
吐き気がひどかったり、一日中嘔吐が続いていたりすると、水を飲むこともできなくなってしまいます。当然、何も食べることはできません。急に体重が落ちたり、トイレに行く回数が激減する、見た目にも肌に水分が失われやつれてくるなどの状態になったら、一刻も早く病院へ行かなければなりません。病院では、できるだけ具体的に現状を伝えるようにしてください。「つらい」というだけでは、医師にはわかりません。
脱水症状は母体も赤ちゃんの命も危険にさらしてしまうことにつながります。妊娠を継続することができなくなることもありますから、軽視は禁物です。つわりは徐々に重くなってくるものなので、つわりの症状がきついと感じたら、周囲にいる人も気を付けてあげなければいけません。そのためにはまず、つわりで苦しんでいる本人が、自分の体のことを家族や周囲にいる人に伝える努力をすることです。
妊娠悪阻で入院した場合、多くは絶食療法が行われます。点滴によって水分と必要な栄養分を補給して、休息を取れる環境を整えます。入院することで、家事や育児からも離れることができるので、その効果は大変大きいでしょう。母体が回復してきたら、少しずつ食事を開始して、退院に備えます。妊娠悪阻は本人にとってはとてもつらいことですが、赤ちゃんがそれによって悪影響を受けたりすることはほとんどないと考えられています。お母さんは、まず自分の体をいたわってあげることが大切です。